「金庫の鍵、ゆるくしちゃおうか」― 69歳、名案だと思ったら大間違いでした【1パスの話①】

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69歳の直ちゃんです。

今日から、少しずつシリーズで書いていこうと思っていることがあります。

1Password(ワンパスワード)のお話です。

銀行もクレジットカードも、ネットの会員証も、ぜんぶ預けてある「鍵の金庫」のようなアプリです。1年以上使っているのに、正直なところ、分かっているのは半分くらい。

これを、8割くらいまで分かるようになりたい。

覚えが悪いので、書いて残さないと、すぐ忘れます。だから、つまずくたびにここに書いていくことにしました。

第1回は、7月の終わりの話です。

■ 我ながら、名案だと思った

1Passwordは、開けるたびに最初の合言葉を聞いてきます。

これが長い。しかも、1日に何回も聞いてくる。

調べものをするたび、ログインするたび、また出てくる。そのたびに手が止まる。

ある日、とうとう、頭の中で会議が始まりました。

楽したいじいさん「もう、簡単な数字にしちゃおうよ。1234とかさ」
用心じいさん「いや、それはさすがに……」
楽したいじいさん「毎日打ってるのは俺だぞ。俺が決めていいだろう」

楽したいじいさんの勝ちでした。

さっそくジーニーに聞きました。

「最初の番号を、もっと簡単な数字に変えたいんだけど、変え方を教えて」

我ながら、名案だと思っていました。

■ 名案は、3秒で止められた

ジーニーの返事は、

「それは金庫の鍵そのものです。簡単にすると、中のカードもログイン情報も、全部まとめて危なくなります」

……ですよね。

心のどこかで、用心じいさんが「ほらね」と腕を組んでいるのが見えました。

玄関の鍵が開けにくいからといって、鍵穴を大きくする人はいません。分かっていたはずなのに、毎日の面倒くささに負けていたんです。

でも、ジーニーはそこで終わりませんでした。

「直ちゃんの困りごとは、『何回も聞かれること』ですよね。それなら、鍵をゆるくしなくても消せます」

私が欲しかったのは「簡単な数字」じゃなくて、「何回も打たなくていい毎日」だった。

言われて初めて、自分の本当の願いに気づきました。

■ アプリは、とっくに家の中にいた

調べてもらったら、原因はあっけないものでした。

私が毎日開いていたのは、インターネットの画面の中で動く「ブラウザ版」。これは仕組み上、しばらくすると必ず鍵がかかる。だから何回も聞かれていた。

パソコンに入れて使う「アプリ版」なら、1日1回で済むそうです。

「じゃあ、アプリを入れよう」

公式サイトでダウンロードのボタンを押したら、画面にこう出ました。

「1Password は既にインストールされています」

……入ってた。

いつ入れたのか、まったく覚えていません。

ずっと前から、パソコンの中にいたんです。家の中に楽な裏口があるのに、私は毎日、遠い正門までぐるっと回って、呼び鈴を押していた。

ここは、笑うところです。

私はしばらく、笑うより先に、パソコンの画面を黙って見ていました。

■ 直したのは、「番号」ではなく「入口」

結局、設定は何ひとつ変えていません。

アプリのアイコンを、パソコンの一番下の段(タスクバー)に並べて、これからはそこから開く。それだけ。

1日に何回も、が、1日1回になりました。

金庫の鍵は、固いまま。

楽したいじいさんも、用心じいさんも、両方が満足する答えがあったわけです。会議で揉める必要なんて、最初からなかった。

■ 今回のまとめ

困ったときに、自分で思いついた「解決策」を言うより、「今こうなっていて、これが嫌なんだ」とそのまま言ったほうがいい。

もし私の名案がそのまま通っていたら、今ごろ金庫の鍵をゆるくして、満足していたはずです。

69歳。まだまだ、遠いほうの扉をたたいている気がします。

1Passwordの話は、分かったことが増えるたびに、また書きます。

次は、どこでつまずくやら。

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パソコンやスマホで「これ、どうやるんだろう」と思ったら、のぞいてみてください。69歳の私が先につまずいて、転んで、起き上がった記録が置いてあります。

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