直ちゃんの「懐食みちば(葉月:8月)」〜69歳にして、やっと母の“骨スープ”がわかりました〜

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こんにちは、69歳の直ちゃんです。

昨夜は、月に一度のお楽しみ、松戸の「懐食みちば」さんの葉月の夜席に行ってきました。

結論から言うと、今月の一番は【強肴】の「マナガツオの煮つけ」です。
しかも、お皿を一度下げられかけたあとに、もう一回呼び戻すという、われながら少々ややこしいお客をやってしまいました。その話は、あとでゆっくり書きますね。

■ 今夜のお花は「ひまわり」

まず玄関で出迎えてくれたのが、ドーンと大きなひまわり。
8月も終わりだというのに、「夏はまだ終わってませんけど、なにか?」という顔で立っていました。こちらも、つい背筋が伸びます。

そして、私の席の前に置かれていたのが「フジバカマ」。
ひまわりで夏をもらって、席についたら秋が待っていた、という感じです。この落差、みちばさんはさすがだなぁと思います。

■ お酒は、すだちサワー → 熱燗

一杯目は「すだちサワー」。
暑い日の一杯目は、やっぱりシュワッといきたいですね。

二杯目、三杯目は日本酒の熱燗、「都美人」です。
「この暑いのに熱燗?」と思われるかもしれませんが、これがのちほど、大事な伏線になります。

■ 御献立

【座付・先附】一番出汁
みちばさんといえば、これ。いい香りで、今日は少し甘く感じました。この一口で「さぁ、始まりますよ」というスイッチが入ります。

【健菜】梅のかるかん
梅の酸味がgood。緑のソースとの相性がとてもよかったです。

【前菜】
・空心菜のお浸し
・サーモン鮨(ほおずきに見立てた一品)
・もろこし豆腐
・バイガイのうま煮
・黄金チーズ
ほおずきに見立てたサーモン鮨、食べるのがもったいないくらいですが、もちろん食べます。

【御椀】エビしんじょと冬瓜、ハスイモ、しいたけのお椀
すだちがひとひら浮かんで、見た目から涼しい。冬瓜のとろけ具合が絶妙でした。

【お造り】中トロ、長崎のヒラマサ、常磐のスズキ

【焼物】トマトの姿焼き
熱々の石の上のトマトに、目の前でお出汁がかけられます。この「じゅわ〜」を見ているだけで、もうおいしい。

【口直し】鱧煮おろし(丸茄子、生姜添え)

【御食事】ひつまぶしご飯

【水菓子】レモンのシャーベット、水まんじゅう

■ カサゴが来なかったので、マナガツオになりました

さて、今日のお品書きでは【強肴】は「カサゴの煮付け」の予定でした。
ところが、カサゴの入荷がなかったとのことで、「マナガツオの煮つけ」に変更。カサゴにも、いろいろ都合があるんですね。

マナガツオ。
名前は聞いたことがあるような、ないような。もちろん、食べたことはありません。

Screenshot
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実は私、子どもの頃は煮魚が大嫌いでした。

私の実家は三重県の長島で、木曽川・長良川・揖斐川という大きな川に挟まれた三角州の場所です。家は農家でしたが、漁師さんから川で取れた魚をよくもらいました。
当時のことですから、魚をたくさんもらったら煮付けにするのが当たり前。今のように生臭みを取る下ごしらえも、じゅうぶんではなかったのだと思います。

つまり私の中では「煮魚=生臭いもの」。
兄弟みんな、そろって大嫌いでした。

ところが母は、その生臭い煮付けを、いつも本当においしそうに食べているのです。
子ども心に「お母さんは、どうかしている」と思っていました。

それが、歳を重ねて、生臭みのないお魚料理を食べるようになってから、だんだんと好きになり、今では「煮魚に熱燗」が大好物。
人間、変わるものです。母よ、ごめんなさい。

■ 「猫またぎ」のあとに、思い出したこと

今夜のマナガツオにも、大きな骨、小さな骨がたくさんついていました。
それを一本一本ほぐしながら、熱燗と一緒にゆっくりと。至福です。

食べ終わったお皿は、いわゆる「猫またぎ」。
猫でさえまたいで通るほど、きれいに骨だけになっていました。

そこへホールのみっちゃんが、「お済みですか?」。
「はい、おいしかったです」と答えて、お皿を持っていってもらったのですが——

その瞬間、ふっと思い出したのです。

母が家で、煮付けの身を食べたあと、残った骨に白湯をかけて、それをおいしそうに飲んでいた姿を。

そこで、下げかけたみっちゃんを呼び止めて、私のお皿をもう一度持ってきていただきました。
「え、なにか?」というお顔をされましたが、母の話をして、熱い白湯をお願いしました。

煮付け汁と骨だけになったお皿に、熱い白湯をそそぐ。
そして、母がやっていたように、骨をちょんちょんちょんちょんと突いて、骨についた味と、細かな身を白湯に溶け出させる。

その骨スープを、飲みました。

それは、それは、とってもおいしかったです。

母がやっていたことを初めて真似してみて、煮魚の骨に白湯をかけるとこんなにおいしいのだと、69歳にしてやっと分かりました。
分かるまでに、ちょっと時間がかかりすぎましたね。

道場で骨付きの魚の煮付けが出たのは、たぶん初めてだと思います。
これからも出るようなら、また同じように「骨スープ」まで味わいたいと思いました。

■ フジバカマの、影

食事の合間、テーブルの前のフジバカマを眺めていました。
茶花の「わび・さび」を感じるなぁ、なんて思っていたら、その下に、フジバカマの影が写っているのに気がつきました。

花そのものより、影のほうが、なんとも言えない美しさ。
これも「わび・さび」なんだろうな、と、しばらく見とれていました。

■ みっちゃん、金沢へ

最後に、ホールのみっちゃんから、来月、金沢のご実家に戻られるというお話をうかがいました。

今夜、私の骨だらけのお皿を運んで、戻して、白湯まで持ってきてくれたみっちゃん。
最後に、みんなで記念撮影をさせていただきました。

みっちゃん、ありがとうございました。
金沢でもお元気で。松戸から応援しています。

■ おわりに

今月の一押しは、文句なしで「マナガツオの煮つけ(+骨スープ)」でした。

カサゴが来なかったおかげで、私は母のことを思い出し、69歳にして新しい(というか、50年以上前からあった)おいしさを知りました。

みなさんも、お家で煮魚を食べたら、残った骨に熱い白湯をかけてみてください。
ちょんちょんちょん、ですよ。

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AI直ちゃんもやっています

パソコンやスマホで「これ、どうやるんだろう」と思ったら、のぞいてみてください。69歳の私が先につまずいて、転んで、起き上がった記録が置いてあります。

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